株式会社SRA（本社：東京都豊島区南池袋、代表取締役社長：鹿島 亨、 以下 SRA）は、組込みソフトウェア自動テスト支援ツール「TestDepot」（テストデポ）の提供を本日より開始します。

現在、ソフトウェアは様々な製品に組込まれ、その製品製造に欠かせない自動組立機・工作機械・自動搬送機等の産業用機器についてもソフトウェアによって多くの機能が制御されています。そのような状況のもと、製品開発に求められるスピード、品質、コストが企業にとって重要な課題となっています。

この度、SRAが開発し、提供を開始する組込みソフトウェア自動テスト支援ツール「TestDepot」は、組込みソフトウェア開発において、従来人手を掛けて行なっていたソフトウェア開発の検証作業（設定・操作・確認作業）を自動化するツールです。

組込みソフトウェア自動テスト支援ツール「TestDepot」の導入により、「作業時間の削減」、「熟練担当者のノウハウ活用」、「人的ミスの削減」、「夜間、休日の業務時間外を利用したテスト実行」等が可能となり、製造業にとって大きな課題であるスピード、品質、コストにおける高い要求に応えることができます。


1. 「TestDepot」の特長

(1) 標準テストモジュールを提供

多種多様な組込みソフトウェアの機能テストを実現するために、標準テストモジュールを用意しています。対象機器との通信やパラメータ設定、I/Oサンプリング機能など、機能テストに必要不可欠な要素を標準テストモジュールとして提供します。これにより、お客様の製品固有の機能を準備するだけで、自動テスト環境を整えることができます。

(2) 拡張可能なテストスクリプト言語

「TestDepot」では、標準のテストスクリプト言語だけでなく、お客様独自の機能を利用できるようにテストスクリプト言語を拡張することができます。これにより、他のソフトウェア自動検証ツールでは表現しきれないテスト仕様も適切に表現することが可能となります。

(3) ユーザー環境に合わせた柔軟なカスタマイズ

「TestDepot」は、お客様の環境に柔軟に対応できる、カスタマイズ可能な製品です。「ソフトウェア検証の自動化は無理」と諦めていたお客様にも導入可能となるようにカスタマイズします。また、構成管理やビルドシステムとの連携も可能です。これにより、お客様の製品開発を加速する組込みソフトウェア用の自動テスト環境を構築することができます。

2. 「TestDepot」製品構成

「TestDepot」は以下５つの製品群から構成されます。

◎TD-Booster

TD-Boosterは「TestDepot」専用のGUIツールです。テストの選択・実行制御を含め、履歴の管理やテスト実行結果のレポート出力などユーザーのテスト実行をサポートします。

◎TD-Creator（※）

TD-Creatorはテストケース作成支援ツールです。本ツールを使用することにより、通常テキストエディタ等で記述するテストケースを、より簡易に作成する事ができます。本ツールはオプションです。
（※）TD-Creatorは2014年度内の販売開始を予定しています。

◎TD-Core

TD-Coreはテストケース実行エンジンです。作成したテストケースおよびユーザー定義DSL(domain-specific language、ドメイン固有言語)を解釈・実行します。

◎TD-Communication

TD-Communicationはテスト対象との通信モジュール群です。標準的なI/Fはもちろん、ユーザーの環境に合わせてカスタマイズされたI/Fを作成・使用する事ができます。

◎TD-Configurator

TD-Configuratorはテスト条件・設定ファイルをGUIで設定可能とするツールです。このツールを使用することにより、通常テキストエディタ等で記述するテスト条件・設定ファイルをより容易に作成する事ができます。

3. 「TestDepot」の主な機能

＜TD-Booster＞
◎テスト実行に必要な基本機能を搭載
　・テストグループ選択、NGテスト選択、未実施テスト選択
　・テスト実行順序変更
　・時間指定、繰り返し、トリガ指定、仮想実行
　・テスト実行ログ表示、実行トレース表示
　・テスト結果出力、印刷

＜TD-Creator＞
◎GUIツールによるテストケース作成支援機能
　・DSLガイダンス表示
　・選択方式によるDSL記述

＜TD-Core＞
◎製品・運用にあわせてテスト機能を柔軟に拡張可能
　・ユーザー定義DSL、C/C++ライブラリ連携、共通テストケース定義
◎多様なAPIの搭載により外部システムとの連携が可能
　・TRAC、Redmine、 SMTP、Subversionとの連携

＜TD-Communication＞
◎組込み製品のテストに便利なテストモジュールが使用可能（※）
　・I/Oサンプリング・波形表示機能
　・画像表示・比較機能
　・シリアル通信、CC-Link等FAネットワーク
　（※）上記のテストモジュールはオプションです。
　　　　2014年度内の提供開始を予定しています。

＜TD-Configurator＞
◎テスト実行時にインタラクティブなテスト設定が可能
　・実行時テストパラメータ設定
　・テスト設定項目のユーザー定義
　・一括事前設定


4. 価格

ライセンス価格
　２，０００，０００円／１ライセンス（初年度の保守費用を含む）
　開発ターゲット製品1機種につき１ライセンスが必要
　追加オプション、カスタマイズは個別設定

保守価格
　ライセンス本体保守（導入次年度よりライセンス価格の２０％／年額）


5. 今後の展開

ソフトウェア技術者でなくても容易にテストケースが作成できる、テストケース作成支援ツール「TD-Creator」を2014年度内に発売予定です。
また、I/Oサンプリング・波形表示、画像表示・比較、CC-Link等のFAネットワークといったモジュールを追加オプションとして 「TestDepot」の機能強化を行なっていく計画です。


＜参考: 「TestDepot」の適用業務＞
◎ソフトウェアバージョンアップ時のデグレード確認
◎ソフトウェア設定を条件変更しながらの再帰テスト
◎発生率の低いソフトウェア不具合の再現
◎ソフトウェアテストにおける手順・設定の効率化
◎機械性能の自動計測（サイクルタイム等）・データ収集
◎ソフトウェアバージョンデバッグ時に実行する繰り返し操作の自動化


※「TestDepot」は、商標登録出願中です。